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アーサー・ビナードさん

夏休みの終わりに、読み聞かせの先輩から
「素晴らしい日本語で本を書くアメリカ人の講演を聴いてみませんか」
と勧められて、アーサー・ビナードさんの講演会に行って来ました。

アーサー・ビナード講演会

たいへん失礼ながらそれまでアーサーさんのことは知りませんでした。
(田舎ゆえ、近隣の大型書店にもアーサーさんの作品は置いてありませんでした。)

ミシガン州で育ったアーサーさんは、20歳を過ぎて来日してみて、
アメリカで使っていた「ひばち」が日本では「しちりん」と呼ばれていることにたいへんショックを受けた
・・ということから
「言葉はすり替えられることがある」という話を始められました。

「規制緩和」って、なんとなく優しく響きませんか? 本当はとっても怖いことだとしても。

原子力発電所の「再稼働」が、最近「運転再開」と言われるようになったことに気づきましたか。
(「運転再開」って鉄道事故があった後で、「復旧しました!どうぞ列車に乗ってください!」というありがたいシチュエーションを連想しませんか?というジョークとともに・・)

・・・・考えてもみませんでした。

言葉ってすごいなー・・、言葉に対して敏感でなければいけないな・・と考えさせられました。

アーサーさんは、原爆で主を失くした服や靴を語り手にした自分の本を朗読されました。
「原爆と原発は同じ根っこ」として、日本人の私よりずっとずっと真剣に考え、実際に行動されています。

作品もチラッと読んでみました。

「ぼくは「満載喫水線」という日本語に見とれる。けっして単純ではなく、しかし筋が一本通っている感じがして、その五文字が凛々しい。・・・(以下中略)
それと対照的なのがPrimsoll lineという英語名。ひょろひょろと、物語の端くれみたいに横たわっている・・。」(アーサー・ビナード著 「日々の非常口」より)

これは、英国人サミュエル・プリムゾルについてのエピソードです。
過積載で海難にあい、命を落とす船員たちを救うために海運の規制強化に取り組み、商船業界を敵に回しながら
戦い続けて「商船法」を可決させた彼のおかげでどれほどの人が救われたか・・というお話。
その他、いろんな社会問題について問題提起されています。

日々の非常口 (新潮文庫)日々の非常口 (新潮文庫)
(2009/07/28)
アーサー ビナード

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話される日本語も素晴らしいけれど、書かれた日本語も素晴らしいです。

ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸
(2006/09/26)
アーサー・ビナード

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くうきのかお (びじゅつのゆうえんち)くうきのかお (びじゅつのゆうえんち)
(2004/10/30)
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そして今回、言葉のすごさを感じたので、「英語は通じればいい。わかればいい。」という自分の態度を
改めねばと思います。

・・ところで、明日は子どもの小学校最後の運動会。
娘の保育園時代から、テント張り、場所取り、お弁当作り、カメラマン、じじばばの送迎(同居しててもよ!)
たまに保護者競技参加、保護者として補助員として、一人でずーっと頑張ってきた運動会が、これで終わるのかーと思うと、そっちの方で涙がでるかも(爆)
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Comment

  • ポリアンナ
  • URL
No title

ビナードさんって穏やかな優しそうな顔立ちの方ですよね。
彼はアルクの会員向けの情報誌に長いことエッセイを書いています。
恥ずかしながらちゃんと読まないこともあるのですが(^_^;)
外国人の方が美しい日本語で文章を紡ぐのを目の当たりにすると自分の母語レベルが恥ずかしくなります。

外国語を使うきっかけや目的は人それぞれなので、これかな学ぶ若い人たちにはあまり堅苦しく考えず、間違いを恐れずにコミュニケーションをして欲しいと思います。そして自分は文章の組み立てなど日本語の発想からどうしても離れられないでしょうし、ボキャブラリーも大したことはないけれど、普通に日本語で友人と会話するのと同じように相手を不快にさせないものであればいいかなと考えています。文章を書くにも人間性が出てしまうと思うので、たとえスペルがちょっと間違っていても気持ちが伝わる文章を書けるようになりたいです。
それがピッピさんのように教える立場だったり、それこそオリンピック招致に関わる人たち、外国の首脳と渡り合う政治家となるとまた別なのでしょう。

日本語の文法もろくに説明できないようなダメな日本人で、文化庁の調査に出てくる日本語の誤用例を見ても焦ることがある私ですが、ネットで同年代の女性でも連発する「やばい(やっべぇ~~)」「~じゃねぇ?」「神アプリ」「マジっすか?」みたいな日本語は使わないことにしています。そのような言葉を使えばネットといえども距離がもっと縮まって親しくなれるのかもしれませんけれど。
最近ネットでも叩かれている、経済産業省のキャリア官僚のブログでの復興は不要やもともと過疎だったとか(そのままの文章かはわかりませんが)高齢者や自分の興味のないスポーツ関係者への暴言の内容を読むと、東大出身とかキャリアとかいうものは、人としての品位と比例しているのではないのだなと感じます。

運動会、お疲れ様でした!あれ?日にちからすると、運動会は平日でしたか?
小学校までは親がかりでやる事が多くて大変ですよね。だから卒業式も泣けて仕方ないのかなあ。英会話の先生に言ったら「日本人は何で晴れやかな卒業式に泣くの?」って言われたことが(^_^;)運動会も中学は親が特に呼ばれることもなく(そちらもですか?)楽なのと同時に少々寂しくもありました。

  • Ryoko
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No title

そう言えば、こっちで「ひばち」という日本食レストランちょくちょく見かけますけど、あれって「しちりん」という意味だったんですかね?でも「しちりん」という名前のレストランもどうかと思いますが...やっぱ「ひばち」の方が響きがかっこいい気がします。

「通じればいい」というところから「きちんとした言葉選びと話し方」をする語学力ってまた一段と上の語学のレベルですよね。この前者から後者へのプロセスが私にとって一番苦労したレベルだったなって個人的に感じました。留学前の私の語学力から実際に大学に入って勉強したり、1人の社会人として働いていく中で「通じればいい」ではnot good enoughなんだって実感させられたのを思い出します。「通じればいい」という意気込みだとどうしても"broken English"から脱皮できないんですよね。それだとアメリカの社会で一人立ちする時に、どうしても語学力が自分の足を引っ張る事になってしまうんです。あの頃の私は周りのネィティブがどんな言い回しをしているのかを耳をダンボにして聞いていたのを思い出します。

「言葉の響き」につられて言葉のニュアンスを取り違えるって確かにありますよね。この例を聞いて確かに怖いほど私もニュアンスを柔らかく持ってました。言葉に敏感に。。。これっていろんな人間関係の中でとっても大切だなって最近すごく実感します。言葉のトーンとかでも同じ意味の文が違った意味でとらえられたりしますもんね。言葉やトーンを選ぶ事を大切にしていかなければとちょうど思ってたところだったんですが、このブログで更に考えさせられました。

  • ピッピ
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Re: No title

ポリアンナさん、
ビナードさんはアルクの情報誌でも活躍されてるんですね。
講演会では、「テレビに出てしまうと、デーブ・スペクターとかといっしょに扱われるから極力でない。」とおっしゃってました(笑)。それでも「サンデーモーニング」からオファーがあったからチラッと出るとか・・。ちなみにテレビは持ってないんですって。

ポリアンナさんが書いてらっしゃることを読んで思ったんですけど、だんだん日本人の品がなくなってる気がします。同年代女性がギャル語のような言葉連発というのはやはり引きますし、キャリア官僚の公私混同もドン引きです。今日は『某安売り店の店員に土下座をさせてやった!』という書き込みとその土下座写真をSNS上に載せた中年女性のことがネットニュースで話題になってました。非難集中し、炎上したそうです・・。やっていいことといけないこと、言っていいことといけないこと、いちいち教えてあげなきゃいけないんでしょうかねー。

運動会は休日でしたよ♪ 数日かけてブログ記事書いたんで、書き始めの日でアップされてるんですね。
そうねー。そういえば、日本の生徒はよく泣くし、親は泣かされますね(笑)。
あちらの卒業式はとっても晴れやかで幸せ!!って感じがしますもんね。

  • ピッピ
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Re: No title

Ryokoさん、

お久しぶりです!
アーサーさんも、ハワイかどこかの"Hibachi"というレストランの写真をみせてくれました。
辞書で引いてみたら、確かにすり替わってるみたいです。

Ryokoさんは「きちんとした言葉選びと話し方」をたくさん苦労しながら身につけられたんでしょうね。
甘えの一切通用しない、厳しい自立だったんだなーって、考えさせられました。
良い人間関係を現地で築くには、やはりどうしても必要ですよね。

> 言葉に敏感に。。。これっていろんな人間関係の中でとっても大切だなって最近すごく実感します。言葉のトーンとかでも同じ意味の文が違った意味でとらえられたりしますもんね。言葉やトーンを選ぶ事を大切にしていかなければとちょうど思ってたところだったんですが、このブログで更に考えさせられました。

ちょうど同じころに同じようなことを考えてたんですね。
お子さんもこれからどんどん言葉を覚えていく時だから、そういう意味でも、言葉やトーンって大切だって思いますね。

  • Ryoko
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No title

そうなんですよ〜。実は先日気付いたんですが、最近娘が「いえーいえーいえー」って言い出したなと思ってたんですが、先日私が夫に"Yeah, yeah, yeah"ってちょっと投げやり気味に言った直後にこれをまた言ったんです。この「いえーいえーいえー」って私の真似?!って思ったらびっくりしました。

また夫婦喧嘩をする理由に、声のトーンとかもですけど、自分が意味してるつもりよりもharshに受け取られたりとか、こういうのが重なったんです。自分では意地悪のつもりで言ってなくても、私の言ったその言葉で相手を傷つけたりとか、またその逆もあったりして...どんなに心を許した相手でもきちんと言葉やトーンに気をつけるのって大切だなって最近思ってたところだったんです。

職場とか外の世界では気をつけられても家では気を抜いたりとかするんですよね。でもそれではダメなんだって最近思ってます。ちょっと前に友達数人と一緒に読む事にしたEmerson Eggerichs著の"Love & Respect"という本を今週になって読み出したんですが、ものすごく自分達にも当てはまるって思って勉強になります。夫とも一緒に読んでるんですが、この本から夫婦関係についてもっと学んでいけたらと思ってます。

  • ピッピ
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Re: No title

Ryokoさん、

> 最近娘が「いえーいえーいえー」って言い出したなと思ってたんですが、先日私が夫に"Yeah, yeah, yeah"ってちょっと投げやり気味に言った直後にこれをまた言ったんです。

来ましたか!!(笑)
子どもってホントに大人のことよーく見てますよね! 
そしてそれを真似しながら大きくなるから実に怖い。
以前、娘の物の言い方があまりにきつかったので、夫に言ったら、「アナタが言ってるのと同じように言ってるよ」と言われてしまい、ががーーーん、でした。

気にし過ぎてもストレスが溜まるし、こちらの気持ちがわかってもらえなかったりしますが・・。
ちょっと気を付けておくと、全然違う雰囲気になるでしょうね。

> Emerson Eggerichs著の"Love & Respect"という本を今週になって読み出したんですが、ものすごく自分達にも当てはまるって思って勉強になります。夫とも一緒に読んでるんですが、この本から夫婦関係についてもっと学んでいけたらと思ってます。

夫婦で一緒に同じ本を読む・・ってすごいなぁ。お二人なら納得です。また内容教えて下さいね♪

  • Ryoko
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No title

娘って特に母親の口癖や話し方を真似してきますよね。姪もそうなんですが、彼女の話し方はrudeに聞こえるんですが、よく聞くと彼女のママである義妹に話し方がそっくり!!!母親そっくりに話す娘を注意するのもちょっと難しいですよね。そういう意味で私も夫や他の人に話す時はトーンや言葉に気をつけないと!って思います。

この"Love & Respect"、実は2人で読もうって決めたんじゃなくって、友達夫婦何組か集まってブッククラブをしようという事になり、発案者の人がこの本を選んでくれたんです。みんなカップルなので夫婦関係について一緒に学んでいこうという事なんだと思うんですが、読んでみてこの本を選んでくれた友達に感謝したいぐらい自分達にとって大きく学べる内容です。この本と関連するワークブックもあって、本で学んだ内容を今度は自分自身にいろんな質問を投げかけて、それから夫婦同士、または友達とシェアをし合うという作りになってますが、この問いかけの質問の多さに目が回りそうです。でもこの本の内容を読むだけでなく、そこから深く掘り下げて自分達の夫婦関係を変えていくというところまで達する為にはこれほどいろんな質問を自分自身に問いかけそこから学び答えを見い出していくという作業は必要なんだろうなとも考えさせられます。

まだチャプター1を読み終えて、ワークブックのチャプター1に関しての質問に答えているところなんですが、彼が言うには多くの夫婦は"Crazy Cycle"をぐるぐる回っている状態だと言います。この"Crazy Cycle"とは妻は夫に愛を示してほしいと思いながらも夫から愛情を示される事がなく、それが理由で夫に"respect"を示さない。逆に夫が必要なのは"respect"であり、これを妻から示されたいと思いながらも妻からrespectされず、そのリアクションとして自分も妻に愛情を示さないという...これがcycleとなって繰り返されている状態だと言います。私達もお互いから言われる事に対して自分は"react"して、それが原因でお互いを傷つけたりしてしまうんですけど、この"Crazy Cycle"みたいだなって思います。いつも喧嘩するときに「あなたがこう言ったから私はこうreactしたのよ」ってのをお互いに言うんです。そして誰がどこから始めてしまったのか分からなくなってしまってるんです。でもお互いに相手を責め合って誰が始めたかを追求しても仕方ないんですけどね。だからお互いに誤ってまたstart overしても、ちょっとした事でまたこのサイクルにはまってしまうってのが最近よくあったんです。この本が言うには妻は夫に"respect"を示す事で夫から愛情を示してもらう事が出来るといいます。なぜなら夫が必要とするものは"respect"で妻が必要とするのは"love"(本のタイトルはここから来てます)。そしてこの"respect"を示すのは、not because he deserves it.でも夫にunconditionallyに"respect"を示していくべきであり、そして夫もuncondtionallyに妻を愛していくべきだとチャレンジします。チャプター1の内容はこんなところでした。

これからもっと読んでいく上で新しく学んだ事をまたシェアしますね!

  • Ryoko
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No title

やっとワークブックの第一章に対しての質問を答え終わりました。このチャプターで大きく自分が学ばされ、実際に始めていこうと思った事があったので、再びコメントさせてください。

この著者Emersonさんはある日こう決断したらしいです。妻のSarahがどんな言葉を言おうと、どんな行いをしようと彼女の心の底では彼を愛し尊敬している。彼女の心の底のgood intentionを信じようと決めたらしいです。そして彼の妻のSarahも同じようにEmersonがどんな事を言おうと行おうと心の底では彼女を愛してるし、彼のintentionを疑わないようにしようと。これってシンプルなステップだけど、これをする事によって自分のリアクションが変わってくるんだろうなと思い、ぜひ自分も実行していこうと思いました。

再度コメント失礼しました!自分が学んだ事をこうやってシェアしていくと自分の心にもよりよく残るかなと思って思わずシェアしました(^^)

  • ピッピ
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Re: No title

Ryokoさん、

いつでもコメントどうぞ♪
本を読みながらワークブックも記入していく形式のものですか?面白そう。
どんなことを言おうと、どんな行いをしようと、相手を信じる・・って難しいことですね。
でも、信じられているって思えば、言葉や行動は絶対に変わってくると思います。

> これってシンプルなステップだけど、これをする事によって自分のリアクションが変わってくるんだろうなと思い、ぜひ自分も実行していこうと思いました。

私らと違って、ご主人の愚痴を言わず、むしろ褒めることが多く、そしてこのような努力をしているRyokoさん、これが二人の仲睦まじさの秘訣なんですね。

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